腸内フローラでめざせ! やせ体質 (第1回)

美養フードクリエーター

岩田麻奈未

こんにちは。美養フードクリエイターの岩田麻奈未です。腸内フローラに注目し、食べてキレイになれる食スタイルを提案しています。
テレビや雑誌でも特集が組まれることの多い腸内フローラは、私たちの健康を守るパートナーです。さまざまな研究が進み、腸内細菌の中には、同じものを食べても人を太りやすくさせてしまうデブ菌と、代謝のよい身体を作るヤセ菌がいることがわかってきました!

今、もっとも注目されている「腸内フローラとダイエット」について2回にわたりお届けしたいと思います。

腸内フローラってなに?

私たちの腸内には、重さにして1kg以上の腸内細菌が住み着いています。私たちの身体によい影響を及ぼす善玉菌、有害物質や毒素を生み出す悪玉菌、どちらでもない日和見菌の3つのグループに分類され、これらの腸内細菌が腸壁に住み着くさまがお花畑のように見えることから、腸内フローラ、腸内細菌叢などと呼ばれています。

日和見菌は、その名のとおり多勢に加勢する菌です。ですから、腸内フローラが善玉菌優勢の状態であれば、善玉菌に加勢して私たちの身体によい影響を及ぼしますが、悪玉菌が優勢の場合には、悪玉菌に加勢して悪影響を及ぼす菌に変わってしまいます。この日和見菌の中に、 肥満との関係の深いデブ菌とヤセ菌が存在することが明らかになってきました。

腸内フローラを変えると痩せ体質になれる!?

  1. デブ菌とは?

    日和見菌の中のファーミキューテス門と呼ばれるグループの菌は、食べものから必要以上にエネルギーを取り込み、身体に蓄えてしまう働きがあるそうです。実際、肥満の人たちの腸内細菌には、ファーミキューテス門が多いこともわかっています。

  2. ヤセ菌とは?

    日和見菌の中のバクテロイデーテス門と呼ばれるグループの菌は、食べものからあまりエネルギーを取り込まないのだそうです。さらに、これらの菌とビフィズス菌は、水溶性食物繊維を発酵分解する際に、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの「短鎖脂肪酸」という物質を作り出します。短鎖脂肪酸は腸のエネルギー源として利用され、腸内のphを保って悪玉菌の増殖を抑える、腸のぜん動運動を促すなど、腸の健康を守る働きがります。

    さらに、小腸を刺激して痩せホルモンとも呼ばれる食欲に関わるホルモンの分泌を促す、脂肪細胞に脂肪が蓄積されるのを防ぐ、交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促すなど、さまざま な側面から肥満を予防する働きがあります。

    ですから、腸内にビフィズス菌とビフィズス菌に加勢する日和見菌バクテロイデーテス門が多い人ほど、同じものを食べても太りにくい体質になると考えられています。

ヤセ菌は増やせる?

腸内細菌は、私たちが食べたものをエサに生きています。ですから、善玉菌の好む食べものを食べ、腸内で善玉菌をサポートする有用菌の含まれた納豆やヨーグルトなどの発酵食品を食べることで、腸内フローラをよい状態に変えることができます。

また、私たちが日中活動して夜は眠る、というリズムを持って生活しているように、腸にもリズムがあります。腸は空腹と食事を合図にリズムを刻んでいますから、メリハリのある食生活をすることも腸内フローラを改善して、ヤセ菌を増やすことにつながります。

デブ菌もヤセ菌も、どなたの腸内にも住み着いている一般的な腸内細菌ですから、ヤセ菌を増やすことは、誰にでもできます。

次回は、ヤセ菌を増やす食生活について詳しくお話ししたいと思います。

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