紫外線の正しい知識とUVケア

美肌研究家

白河三來

はじめまして! 美肌研究家の白河三來です。これからエイジング対策にもなるスキンケアの方法についてご紹介していきたいと思います。初回にあたる今回は、紫外線についての正しい知識を持つとともに、日焼け対策について考えてみましょう。

窓際の席で何年もずっと仕事を続けてきたある女性のお話、左右の顔の肌老化がまったく違ってしまったそうです。窓側に向いた右側だけに、シミ・シワ・たるみが集中してしまっている……。なぜそんなことが起きたのでしょうか? それは、窓を通り抜ける紫外線UVA波のせいだったのです。

UVA波とUVB波

UVB波は5月から8月がピーク。UVB波を浴びた肌は、火傷のように炎症を起こして赤くなったり水ぶくれができたり、メラニン色素が沈着して褐色になったり、シミやソバカスの原因となることもあります。UVB波への防御効果を表すのがSPF値です。

一方、UVA波は一年中対策が必要な紫外線です。室内にいても、窓ガラスを通して肌に到達するため、うっかり日焼けのもとになります。UVA波を浴びると真皮の層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生み出す繊維芽細胞が傷つけられ、シミ・シワ・たるみといった「光老化」の原因になります。UVA波に対する防御効果を示すのがPA分類です。

肌のことを本当に考えるなら、SPAやPAだけでなく、以下のような基準にもご注目ください。

日焼け止めを選ぶ基準

  1. 合成香料を使っていないこと

    合成香料は頭痛やイライラの原因となるほか、香料の成分そのものが紫外線をあびて、肌に色素沈着を起こすこともありますので、避けたいものです。

  2. シリコン / ポリマーを使っていないこと

    シリコンやポリマーを使ったUVカット化粧品を塗ると皮膚の上にラップを貼りつけたような状態になります。汗で落ちにくいので日焼け止めとしての効果は高いのですが、これを落とすのには強力なクレンジングが必要になります。その結果、大切な皮脂膜が壊され、乾燥肌の原因になってしまいます。

  3. 石油系合成界面活性剤を使っていないこと

    日焼け止めクリームで、しっとりと肌になじむもの、サラッとしたつけ心地のものには肌を荒らす石油系合成界面活性剤が入っているかもしれないので要注意です。

  4. 紫外線吸収剤を使っていないこと

    紫外線吸収剤は、皮膚の表面で紫外線を吸収し、科学的エネルギーに変えて放出します。防御力が高い分、刺激も強いので、避けたほうがよいでしょう。代わりに、紫外線散乱剤を使用したものが比較的安全です。

  5. ナノ化技術を使っていないこと

    ナノ化技術を使った日焼け止めは白浮きせず、透明感があって一見優秀な製品に思われますが、細胞の中に入り込んでしまう可能性があるため、要注意です。

  6. 抗酸化物質がはいっていること

    抗酸化物質として有名なビタミンCはそのままでは肌に吸収されにくいため、化粧品では、リン酸LアスコルビルマグネシウムなどのビタミンC誘導体の形で使用されます。生体内ですぐにビタミンCに変わり、シミ・ソバカスの原因であるメラニンの生成を阻害します。

成分をよく吟味して、肌にやさしい日焼け止めを選びたいものですね。

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